物事は両面からみる。それでは…


物事は両面からみる。それでは
平凡な答えが出るにすぎず、
智恵は湧いてこない。

いまひとつ、
とんでもない角度−−
つまり天の一角から見おろすか、

虚空の一点を設定して
そこから見おろすか、

どちらかしてみれば
問題はずいぶんかわってくる

(司馬遼太郎、夏草の賦・上)

なるほど、いい考えのようで、
深く納得するまでに至らない、
というのは、そういうポイントが
不足しているんでしょうね。

良い面と悪い面、
2つから考えただけでは、
これまでの自分の知識や経験の枠からは、
飛び出せません、多分。

と言うことは、
結局、ありきたりの答えしか
手に入らないということです。

ありきたりの答えで、
満足する自分であったり、
相手であるならいいですが、
少なくとも、今の時代は、
そうじゃないでしょう。

こんな話を読んだことがあります。

ダウンタウン松本人志さんが、
楽屋で、そこにいた人々にお題を
出したそうです。

「歩いていると、
 ガムが靴底に付いてしまいました。
 こんな時、
 どうしたらいいのでしょう?」

人々は、笑いもからめて、
靴にガムがつかない方法や、
靴からガムをとる方法を
しゃべり出しました。

私も、その場にいたら、
同じようなことを考えたでしょう。

そこで、松本さんいわく。

「それが違うねん。何でみんな、
 ガムを取ろうとするん?
 …
 右足にガムが付いてネバネバするなら、
 左足にもわざと付ければいい。
 そうすれば両足、均等に
 ネバネバになって気にならなくなる」

これを実際にやる人がいるかは別にして、
笑いのシーンにおいても、
発想のシーンにおいても、
なるほどと思うアイデアだと思います。

「取り除く」とか
「付かないようにする」とか
の次元でなく、
「気にならなくなる」
という別の次元で考えていますからね。

こういう次元を変える発想が必要です。

その発想の根本を変えない限り、
新しいアイデアは出てきませんから。

私も、最近、
組織をつくりなおすことについて、
似たような経験をした次第です。
面白いものですねぇ…

(参考)
人間というもの(司馬遼太郎)
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今日のコラムは「女性タクシー運転手」です。

こんないい言葉もあります。

100のムダで役に立たないことが、/1つのヒットを生み出す/(視聴率20..
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いい言葉ねっと
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